朝起きた時点で、もう疲れている。肩と首の重さが、マッサージに行っても数日で戻る。眠りが浅く、気持ちが張りつめたままほどけない。——検査では「異常なし」と言われたのに、確かに調子は悪い。そういう状態に、ヨガだけで向き合う必要はありません。
この記事では、Studio NEXTE(長野市三輪)が提携クリニックと組んで提案している「メディヨガ」という考え方を説明します。読み終えると、ヨガでゆるむ部分と、医療で確かめたほうがいい部分の線引きがはっきりします。最後に、どこから始めればいいかもまとめました。
この記事の要点
- メディヨガは「スタジオでヨガ、必要な医療は1階の上野医院で」という組み合わせ方のこと
- ヨガはストレスホルモン(コルチゾール)の低下について、運動の中でもっとも大きい結果が報告されている
- ただしヨガでは原因を確かめられない。疲れやすさの裏に貧血・甲状腺・更年期が隠れることがある
- 医療側で足せるのは、医師の診察/漢方の処方(保険)/筋膜リリース注射/プラセンタ注射
- 料金は別々。グループヨガは土曜10:00〜11:00・1回2,200円(要予約)、マンツーマン30分の初回体験は2,200円
メディヨガとは何ですか?
ヨガで心身をゆるめながら、必要な人は提携クリニックで医師の診察・漢方・注射を受ける、という組み合わせ方のことです。当スタジオが医療行為を行うわけではありません。
Studio NEXTE は長野市三輪・上野ビル2階のスタジオ、上野医院は同じ建物の1階にある整形外科・美容外科です。レッスンは当スタジオ、診察と治療はクリニック。役割をはっきり分けたうえで、行き来しやすくしたのがメディヨガです。
「ヨガのついでに注射を打つ」という話ではありません。体の不調には、動いてゆるめたほうがいいものと、調べて手当てしたほうがいいものがある——その仕分けを、医師のいる場所でできるようにした、というのが正確な説明です。
ヨガは、ストレスにどこまで届くのか
コルチゾールの低下では、運動の中でもっとも大きい結果
心理的ストレスを抱える人を対象にした44件のランダム化比較試験(合計3,284人)をまとめた2025年のネットワークメタアナリシスでは、ストレスホルモンであるコルチゾールの低下について、ヨガの効果量がもっとも大きいと報告されました(標準化平均差 −0.59、95%信頼区間 −0.90〜−0.28)。気功、複数種目を組み合わせた運動がこれに続きます。
ゆっくりした腹式呼吸は、休息側の自律神経(副交感神経)の働きを助けると考えられています。レッスンの最後に仰向けで休む10分間を「いちばん気持ちがいい」とおっしゃる方が多いのは、この切り替えが起きているためだと考えられます。
更年期以降の不調についての報告
更年期以降の女性を対象にした11件の臨床試験(1,005人)を統合した2024年の解析では、睡眠の質・不安・気分の落ち込み・疲れやすさの改善が報告されています。ヨガ・太極拳・気功などをまとめた「マインドボディ運動」としての結果で、ヨガ単独の効果を示したものではありません。
正直に書いておきたい限界
米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)は、ストレスや不安に対するヨガの研究について「有望だが予備的」という立場をとっています。研究ごとに参加者もプログラムも違い、質の高い試験はまだ多くありません。「ヨガをすればストレスが治る」と言える段階ではない、というのが現時点の正確な理解です。
そして何より、ヨガには原因を確かめる力がありません。「疲れが抜けない」の背景に貧血、甲状腺機能の低下、更年期のホルモン変化、睡眠時無呼吸などが隠れていることは珍しくありません。ここが、医療を足す理由です。
クリニック側で足せる4つのこと
医師の診察、漢方の処方(保険診療)、筋膜リリース注射、プラセンタ注射の4つです。いずれも医師が診察のうえ、必要性を判断します。
| できること | どんなときに | 費用の目安(税込) |
|---|---|---|
| 医師の診察 | 疲れ・不眠・気分の落ち込みの背景に、検査が必要な病気がないかを確認する | 保険診療 |
| 漢方の処方 | 検査では大きな異常がないが、だるさ・冷え・不安・寝つきの悪さが続くとき。体質と症状に合わせて医師が処方 | 保険診療 |
| 筋膜リリース注射 (ハイドロリリース) |
肩・首・腰のこりが、動かしても戻ってしまうとき。エコーで筋膜を見ながら生理食塩水を注入 | 1部位 5,500円/2部位 8,800円 |
| プラセンタ注射 | 更年期のゆらぎ、慢性的な疲れが気になるとき | 3,300円(3アンプル) ※更年期障害・肝機能障害の治療目的では保険適用となる場合があります |
鍼(はり)をご希望の場合は、必要に応じて外部の施術所をご紹介します。上野医院・Studio NEXTE では行っていません。
費用・リスク・回数の詳細は、上野医院のコラムと各施術ページをご確認ください。効果には個人差があります。
心の不調に使う漢方は、症状の「中心」で選び分けます
漢方は「なんとなく効きそう」で出すものではありません。イライラが中心なのか、のどのつかえ感なのか、疲れ切って眠れないのか——どこが中心かで処方が変わります。ヨガの呼吸で感じる「息が浅い」「肩が上がっている」という感覚は、この選び分けのヒントにもなります。
| 処方 | 効能・効果(添付文書より抜粋) |
|---|---|
| 加味逍遙散 | 肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状がある方の、冷え症・月経不順・更年期障害など |
| 抑肝散 | 神経症、不眠症(神経が高ぶるもの) |
| 半夏厚朴湯 | 気分がふさいで、のど・食道に異物感があり、ときに動悸・めまいを伴う不安神経症、不眠症など |
| 加味帰脾湯 | 虚弱体質で血色の悪い方の、貧血・不眠症・精神不安・神経症 |
| 酸棗仁湯 | 心身がつかれ弱って眠れないもの |
| 補中益気湯 | 消化機能が衰え、手足のだるさが著しい虚弱体質の方の、食欲不振・病後の体力増強など |
どれを選ぶかは、体質・症状・ほかに飲んでいるお薬との兼ね合いからクリニックの医師が診察のうえで判断します。スタジオで漢方をおすすめすることはありません。
漢方にも副作用があります(むくみ・血圧上昇をきたす偽アルドステロン症、肝機能障害など)。すでに漢方を飲んでいる方は、必ず医師にお伝えください。
なお、日本東洋医学会のEBM委員会は漢方治療のランダム化比較試験を集めた「漢方治療エビデンスレポート」を公開しており、研究の集積は進んでいます。いっぽうで、症状ごとに効果がはっきり示された処方ばかりではありません。体質と症状を診たうえで選ぶ、という前提つきの選択肢だと考えてください。
どう始めればいいですか?
まず土曜の朝10時、グループヨガにお越しください。1回2,200円・要予約です。気になる不調があれば講師にお伝えいただければ、1階のクリニックをご案内します。
| ステップ | 場所 | 費用 |
|---|---|---|
| 1. グループヨガ 60分(土10:00〜11:00) | Studio NEXTE(2階) | 1回 2,200円 |
| 2. 気になる不調を相談 | Studio NEXTE(2階) | 無料 |
| 3. 必要なら受診 | 上野医院(1階) | クリニックでお支払い |
スタジオとクリニックの料金は別々で、まとめたパッケージ料金はありません。ヨガだけ続けても、まったく構いません。受診をおすすめするのは、こちらから見て「これは診てもらったほうがいい」と感じたときだけです。
よくあるご質問
ヨガとクリニック、両方受けないといけませんか?
いいえ。ヨガだけで大丈夫です。受診はあくまで選択肢で、続けるかどうかもご本人が決められます。
体が硬くても、メディヨガは受けられますか?
はい。土曜のグループヨガは開脚も逆立ちもしません。呼吸から始めて、できない動きは飛ばして構いません。
メディヨガという専用コースがあるのですか?
専用コースや専用料金はありません。ヨガはスタジオの通常メニュー、医療はクリニックの通常メニューとして、それぞれお受けいただきます。
心療内科に行ったほうがいい状態かどうかも相談できますか?
クリニックの医師が診察のうえ、専門の医療機関が適切と判断した場合は、その旨をお伝えします。眠れない日が続く、気分の落ち込みが強いといった場合は、早めにご相談ください。
妊娠中ですが参加できますか?
事前にご相談ください。妊娠中の方、血圧・心臓の疾患をお持ちの方、手術後の方、強い痛みのある方は、医師の運動許可が必要な場合があります。
出典
- The Optimal Exercise Modality and Dose for Cortisol Reduction in Psychological Distress: A Systematic Review and Network Meta-Analysis. Sports (Basel). 2025(44試験・3,284人)
- Mind-body exercise for menopausal symptoms. Menopause. 2024;31(5):457-467(11試験・1,005人)
- 米国国立補完統合衛生センター(NCCIH)「Yoga: What You Need To Know」「Mind and Body Approaches for Stress and Anxiety」
- 日本東洋医学会 EBM委員会「漢方治療エビデンスレポート(EKAT)」
- 上野医院 プラセンタ注射/筋膜リリース注射(ハイドロリリース)

コメント