Studio NEXTEから、新しい取り組みのご案内です。
「メディピラ」——医療とピラティスを合わせた、私たちの造語です。整形外科専門医・上野琢郎の監修のもと、健康寿命という視点から運動を考える集まりを立ち上げます。
この記事では、その土台になる「ピラティスは研究でどこまで確認されているのか」を整理したうえで、9月26日(土)の立ち上げ説明会をご案内します。
この記事の要点
- 慢性的な腰の痛みでは、118件の臨床試験を統合した解析で、痛みと生活の支障の改善において上位に位置づけられました※1
- 60歳以上では、39試験の解析でバランス・筋力・柔軟性・立ち座りなどの生活動作に中程度の改善が報告されています※3
- 心肺機能の改善も報告されています。ただし「累計1,440分以上=週2回なら約3ヶ月」続けた場合です※4
- 一方で、骨密度を増やす効果は3件のメタ解析すべてで確認されていません※8
- こうした「わかっていること」と「わかっていないこと」を分けて話す場として、メディピラを発足します
- 立ち上げ説明会は9月26日(土)15:00〜16:00・参加費無料。医師の話とマシン体験があります
👉 説明会のご参加はLINEで「メディピラ説明会」と送るだけ(無料・定員20名程度)
メディピラとは?
医療の視点でピラティスを学び直す、会費無料の集まりです。不定期のオンライン・オフラインの勉強会を中心に活動します。
ダイエットや体型づくりのためだけではなく、「これから先も自分の体で動ける時間を延ばす」ための運動として、ピラティスを考えます。日本人の平均寿命と健康寿命の差は、男性で約8.5年・女性で約11.6年(2022年・厚生労働省の公表値)※9。この差を見つめるところが出発点です。
監修は整形外科専門医の上野琢郎。研究で「わかっていること」と「わかっていないこと」を分けてお伝えすることを、いちばんの約束にしています。資格の発行や会費の徴収はありません。
詳しくはメディピラの紹介ページをご覧ください。
ピラティスのエビデンス——わかっていること
① 慢性的な腰・首の痛み(いちばん研究が厚い)
118のランダム化比較試験・9,710人を統合した2022年のネットワークメタ解析では、運動療法の中で痛みの軽減と生活の支障の軽減の両方でピラティスが上位に位置づけられました※1。有効だったプログラムの条件は「週1〜2回以上・1回60分未満・3〜9週間」です。
ただし、コクラン・レビューは「何もしない場合と比べれば痛み・生活の支障が中程度改善するが、他の運動より優れているとまでは言えない」と結論しています※2。つまり大切なのは種目の優劣ではなく、続けられる運動を選ぶことです。
② 年齢を重ねたときの体の機能
60歳以上を対象にした39試験のメタ解析では、バランス・筋力・柔軟性・立ち座りなどの生活動作に中程度の改善が報告されています※3。立ち上がる・階段を上る・振り返る——日常の動作の土台になる能力です。
50歳以上の慢性的な運動器の悩みを持つ方を対象にした研究のまとめでは、重大な有害事象の報告はなく、グループレッスンは続けやすかったことも報告されています※10。
③ 心肺機能——「量の条件」までセットで
12の臨床試験・569人の解析で、心肺機能(持久力)の改善が報告されています。ここで大事なのは条件です。効果が出ていたのは累計1,440分以上——週2回なら約3ヶ月、週3回なら約2ヶ月続けた場合でした※4。マットでもマシンでも効果に差はなかったと報告されています。
「1回やって変わらなかった」ではなく、「あと何回で意味が出るか」を数字で言える。これが研究を知る価値だと考えています。
④ 筋力を使う運動は「週30〜60分」で十分という報告
ピラティス単独の研究ではありませんが、16のコホート研究をまとめた解析では、筋力を使う運動は週30〜60分で死亡リスクの低下が最大になると報告されています※5。「毎日1時間やらないと意味がない」ということはありません。30分のレッスンを週1〜2回でも、十分に意味のある量です。
⑤ 姿勢・気分についての報告
姿勢については、13研究・783人を対象としたレビューで改善が報告されています※6。また、気分の落ち込みや不安感・疲れやすさがやわらぎ活力が上がったという報告もあります(研究数は限られています)※7。
わかっていないこと——骨密度は上がりません
「ピラティスで骨が強くなる」という研究結果は、実はありません。閉経後の女性を追跡したメタ解析3本すべてで、骨密度に有意な差は確認されませんでした※8。
骨折は「骨の弱さ」と「転ぶかどうか」のかけ算で起きます。ピラティスが働きかけられるのは後者側——バランス・筋力・歩行といった要素です。骨密度そのものは、整形外科での検査と治療の領域です。
ほかにも、転倒の回数そのものが減るかどうかは研究間で結論が分かれています。お腹の張りや便通についての、ピラティス単独の質の高い研究も見つかっていません。
自分たちの活動に不利なことも含めて、研究が示す範囲をそのまま伝える。それができる場にするために、医師の監修を置いています。これがメディピラの「医療×ピラティス」の意味です。
立ち上げ説明会のご案内【9月26日(土)・無料】
| 日時 | 2026年9月26日(土)15:00〜16:00 |
|---|---|
| 会場 | Studio NEXTE(長野市三輪4丁目6-2 上野ビル2F・駐車場あり) |
| 参加費 | 無料 |
| 定員 | 20名程度 |
当日の内容は3つです。
- 医師の話(25分)——整形外科専門医・上野琢郎「整形外科から見た、運動が必要な人・気をつけたい人」。この記事で紹介した研究の話も、ここでお話しします
- マシンピラティスの体験(15分)——リフォーマーなどのマシンに実際に触れていただきます。見学だけでも大丈夫です
- 質問と雑談の時間——聞きにくいことほど歓迎です
運動の経験は問いません。ご家族とご一緒でも大丈夫です。動きやすい服装でお越しください。
👉 ご参加はLINEで「メディピラ説明会」と送ってください(お名前と人数をお伺いします)
※メディピラは学びと交流の場であり、診断・治療を行うものではありません。症状のある方は主治医の指示に従ってください。妊娠中の方、血圧・心臓の疾患をお持ちの方、手術後の方、強い痛みのある方は、お申し込み前にご相談ください。
よくある質問
Q1. メディピラは誰でも参加できますか?
どなたでも参加できます。Studio NEXTEの会員である必要はなく、運動の経験も問いません。医療職・運動指導者の方の参加も歓迎しています。
Q2. 費用はかかりますか?
会費は無料です。説明会も参加費無料です。名簿から抜けるのもいつでも自由です。
Q3. 資格が取れる講座ですか?
いいえ。メディピラは資格を発行しません。学びと交流の場です。
Q4. 説明会では運動しますか?きつくないですか?
マシンに数分触れていただく体験の時間がありますが、見学だけでも構いません。激しい運動は行いません。
Q5. 腰や膝に痛みがあっても参加できますか?
お話を聞くだけの参加は問題ありません。体験については、強い痛みのある方・手術後の方・妊娠中の方・血圧や心臓の疾患をお持ちの方は、お申し込み前にご相談ください。当日も体調をうかがってから進めます。
まとめ
ピラティスには、慢性的な腰の痛み・年齢を重ねたときの体の機能・心肺機能などで研究の裏づけが積み重なっています。一方で、骨密度のように「効果が確認されていないこと」もあります。
その両方を、ごまかさずに話せる場をつくりたい。それがメディピラです。まずは9月26日(土)の説明会で、医師の話を聞きに来てください。
👉 LINEで「メディピラ説明会」と送る(参加費無料・定員20名程度)
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この記事の監修
整形外科・美容外科 上野医院 医師(日本整形外科学会 整形外科専門医)
※監修は内容の医学的な妥当性を確認するものです。効果を保証するものではありません。診断と治療は医療機関で行います。
参考文献(すべて一次情報/2026年8月19日にPubMedで確認)
- ※1 Fernández-Rodríguez R, et al. Best Exercise Options for Reducing Pain and Disability in Adults With Chronic Low Back Pain. J Orthop Sports Phys Ther. 2022;52(8):505-521(118試験・9,710人のネットワークメタ解析): https://doi.org/10.2519/jospt.2022.10671
- ※2 Yamato TP, et al. Pilates for low back pain. Cochrane Database Syst Rev. 2015;(7):CD010265: https://doi.org/10.1002/14651858.CD010265.pub2
- ※3 Fernández-Rodríguez R, et al. Pilates improves physical performance and decreases risk of falls in older adults. Physiotherapy. 2021;112:163-177(39試験のメタ解析): https://doi.org/10.1016/j.physio.2021.05.008
- ※4 Pessôa RAG, et al. Effects of Pilates exercises on cardiorespiratory fitness. Complement Ther Clin Pract. 2023;52:101772(12RCT・569人。累計1,440分以上が条件): https://doi.org/10.1016/j.ctcp.2023.101772
- ※5 Momma H, et al. Muscle-strengthening activities are associated with lower risk and mortality in major non-communicable diseases. Br J Sports Med. 2022;56(13):755-763(16コホート研究のメタ解析・身体活動全般の研究): https://doi.org/10.1136/bjsports-2021-105061
- ※6 Li F, et al. Effects of Pilates on Body Posture: A Systematic Review. Arch Rehabil Res Clin Transl. 2024;6(3):100345(13研究・783人): https://doi.org/10.1016/j.arrct.2024.100345
- ※7 Fleming KM, Herring MP. The effects of pilates on mental health outcomes. Complement Ther Med. 2018;37:80-95(8試験のメタ解析): https://doi.org/10.1016/j.ctim.2018.02.003
- ※8 de Oliveira RG, et al. Effects of Pilates Exercise on Bone Mineral Density in Postmenopausal Women. J Geriatr Phys Ther. 2022;45(2):107-114 ほかメタ解析3本すべてで有意差なし: https://doi.org/10.1519/JPT.0000000000000309 / https://doi.org/10.1371/journal.pone.0251391
- ※9 厚生労働省 健康寿命の公表値(令和4年): https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/hale/h-01-002
- ※10 Denham-Jones L, et al. A systematic review of the effectiveness of Pilates on pain, disability, physical function, and quality of life in older adults. Musculoskeletal Care. 2022;20(1):10-30: https://doi.org/10.1002/msc.1563
最終更新日: 2026-08-27


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