ピラティスは週何回が効果的?効果が出るまでの期間を研究で解説【医師監修・長野市】

明るいピラティススタジオでリフォーマーに取り組む女性の水彩イラスト(マシンピラティスに通う頻度のイメージ)

「体験には行ってみたい。でも、週1回しか通えなさそうだし、意味あるのかな」——マシンピラティスを検討している方から、いちばん多くいただく質問が「週何回通えばいいですか?」「効果はいつから出ますか?」です。

ネット上には「10回で変わる」「3か月で別人」といった言葉があふれていますが、実際のところ、科学的な研究では何がわかっているのでしょうか。

この記事では、頻度を直接比較したランダム化比較試験(RCT)や複数の研究レビューをもとに、「週何回×何週間」で何が変わるのかを、整形外科専門医の監修のもと整理します。

目次

結論:研究で最も多い設定は「週2〜3回・1回50〜60分・8週間以上」

ピラティス研究の「用量」(頻度・時間・期間)を整理した2024年のレビューによると、効果が確認された研究で最も多かった設定は8週間・週2〜3回・1回50〜60分でした。レビューの著者らは「最低8週間・週2回・60分」を目安として推奨しています(Sivrika, 2024)。

これは国の推奨とも一致します。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人・高齢者ともに筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しており、マシンを使う運動も自重の運動もこれに含まれます。WHO(世界保健機関)も週2日以上の筋力強化活動を推奨しています。

まずは「週2回を8週間(約2か月)続ける」——これが、研究と公的ガイドラインの両方に裏付けられた現実的なスタートラインです。

「30回で身体が生まれ変わる」は本当?

ピラティスの創始者ジョセフ・ピラティスには、こんな有名な言葉があります。

10回で違いを感じ、20回で見た目が変わり、30回で新しい身体になる

この言葉自体は科学的に検証されたものではなく、当時は週3回のレッスンに加えて自宅練習を行うことが前提だったとも言われています。つまり30回とは、週2〜3回のペースなら約3〜4か月に相当します。

興味深いのは、後述する現代の研究でも「体型の変化には10週間(約2.5か月)超」という結果が出ており、この古い経験則と大きくは矛盾しないことです。ただし効果には個人差があるため、「30回で必ず変わる」と考えるのではなく、あくまで継続の目安として捉えるのがよいでしょう。

効果はいつから?時期別の変化の目安

研究報告をもとに、変化が現れる時期の目安を整理します。

1〜2週間:気分・身体の軽さ

60分のピラティスを1回行っただけでも気分の改善が報告されています(Tolnai, 2016)。また慢性腰痛の方を対象とした研究では、痛みの緩和が治療1週目から現れ始めたと報告されています(Silva, 2019)。最初に感じやすいのは「身体が軽い」「よく眠れる」といった変化です。

約2か月(8週間):筋力・体幹・心の変化

マシン(リフォーマー)ピラティスを週3回・8週間行ったRCTでは、体重・BMI・体脂肪率の減少に加えて、握力・体幹の筋持久力が向上し、抑うつや不安のスコアも低下しました(Gökalp, 2025)。筋力や体幹の安定といった「機能の変化」は、このあたりから数値に表れてきます。

約3か月(10週間超):見た目・体組成の変化

過体重・肥満の成人を対象にした11のRCTを統合したメタ解析では、ピラティスにより体重が平均約2.4kg、体脂肪率が平均約4.2%低下しました。ただし10週間以下の介入では体重減少が統計的に有意でなく、10週間を超えると有意(平均約3.3kg減)になっています(Wang, 2021)。「見た目が変わった」と言われるのは、約3か月からと考えるのが現実的です。

なお、減量が目的の場合は運動だけでなく食事の見直しを組み合わせることが前提です。数値はあくまで研究の平均値で、効果には個人差があります。

8〜16週間:姿勢(猫背・反り腰)

姿勢への効果を検証した13研究のレビューでは、胸椎の後弯(いわゆる猫背)や過剰な腰椎前弯(反り腰)、首の深層筋の持久力の改善が報告されています。多くの研究は週2回・50〜60分・8〜16週間の設定でした(Li, 2024)。ただし研究の質にはばらつきがあり、「姿勢が必ず治る」とまでは言えません。

週1回しか通えない場合は意味がない?

意味はあります。運動習慣のない若い女性が週1回・60分のピラティスを10週間続けた研究では、骨格筋量・柔軟性・バランス・体幹と腹筋の筋力・身体への気づき(ボディアウェアネス)が改善し、ネガティブな気分も減少しました(Tolnai, 2016)。

週1回は「効果が出るのが少しゆっくりになる」だけで、ゼロになるわけではありません。仕事や子育てで忙しい方は、まず週1回からで大丈夫です。慣れてきたら週2回に増やす、自宅で簡単なエクササイズを足す、といった形で積み上げていけます。

頻度を増やせば、その分早く効く?

意外かもしれませんが、「多ければ多いほど良い」わけではないことを示す研究があります。

慢性腰痛の方296名を「週1回・週2回・週3回・小冊子のみ」の4グループに分けた6週間のRCTでは、ピラティスを行った全グループが小冊子のみのグループより痛み・生活の支障を改善しました。週2回は週1回より生活の支障の改善で優れていた一方、週3回にしても週2回との差はほぼありませんでした(Miyamoto, 2016)。さらに追加解析では、頻度を増やしても痛みが改善する「速さ」は変わらなかったと報告されています(Silva, 2019)。

つまり、鍵になるのは頻度を無理に増やすことではなく、適切な頻度(週2〜3回)を、効果が出る期間(8週間以上)続けることです。毎日詰め込むより、身体を回復させる日を挟みながら継続するほうが理にかなっています。

効果を出すための3つのポイント

1. まず8週間(週2回なら16回)続ける

研究で効果が確認されている最低ラインが8週間です。「2〜3回行って変化がない」とやめてしまうのがいちばんもったいないパターン。カレンダーに先に予定を入れてしまうのがおすすめです。

2. 正しいフォームで行う(マシンの強みが活きる部分)

ピラティスは「どの筋肉を使えているか」で効果が変わります。リフォーマーなどのマシンはスプリングの抵抗と軌道が動きをガイドしてくれるため、初心者でも狙った筋肉に効かせやすいのが特長です。マットとマシンの違いはこちらの記事で詳しく解説しています。

3. 目的に合わせて組み合わせる

体脂肪を減らしたい方は食事の見直しやウォーキングとの併用が近道です(メディカルダイエットの記事も参考に)。腰痛が気になる方下半身を引き締めたい方産後の骨盤まわりが気になる方は、それぞれの記事で目的別のポイントを紹介しています。

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こんな場合は、運動より先に医療機関へ

安全にピラティスを続けていただくため、次のような場合は開始前に医療機関への相談をおすすめします。

  • 腰や背中の痛みがある方: 脚のしびれや力の入りにくさを伴う、夜間や安静時にも痛む、発熱や原因不明の体重減少を伴う——こうした場合は、運動の前に整形外科での評価が必要です
  • 持病のある方: 心疾患・高血圧・骨粗しょう症などで治療中の方、妊娠中・産後間もない方は、主治医に運動の可否を確認してください
  • 運動中に強い痛みや違和感が出た場合: 中断して専門家にご相談ください

Studio NEXTEは整形外科専門医が監修し、提携クリニックと連携しています。「この症状で運動していいのかな?」という段階からご相談いただけます。

よくあるご質問

Q1. ピラティスは週何回通うのが効果的ですか?
研究で最も多く効果が確認されている設定は週2〜3回です。厚生労働省も筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。まずは週2回を目安にしてください。

Q2. 週1回でも効果はありますか?
あります。週1回・10週間の継続で筋量・柔軟性・体幹筋力・気分の改善が報告されています。変化のスピードは緩やかになりますが、忙しい方は週1回からのスタートで十分です。

Q3. 効果はいつから実感できますか?
気分や身体の軽さは早ければ初回から、筋力や体幹の変化は約2か月(8週間)、体脂肪など見た目の変化は約3か月(10週間超)が研究上の目安です。効果には個人差があります。

Q4. 「30回で身体が生まれ変わる」というのは本当ですか?
創始者ジョセフ・ピラティスの有名な言葉ですが、科学的に検証されたものではありません。ただし「週2〜3回で約3か月」という換算は、現代の研究が示す「体組成の変化は10週間超」という結果と概ね一致しています。

Q5. 毎日やってもいいですか?
週3回を超える頻度の上乗せ効果は、研究でははっきり確認されていません。回復の日を挟みながら週2〜3回を長く続けるほうが現実的でおすすめです。

Q6. 何か月続ければやめてもいいですか?
運動の効果は中断すると徐々に失われていきます。8週間〜3か月はあくまで「変化を実感するまで」の目安で、その後は週1〜2回でも継続することが理想です。

まとめ

  • 研究と国のガイドラインが支持する目安は週2〜3回・1回50〜60分・8週間以上
  • 週1回でも筋力・柔軟性・気分の改善が報告されている——ゼロか100かで考えなくてよい
  • 変化の目安は「気分は早期」「筋力は約2か月」「見た目は約3か月」
  • 頻度を増やしても改善が速くなるとは限らない。続けられるペースで8週間がいちばんの近道

「自分の場合は週何回がいいか」「この目的なら何か月みておくべきか」は、身体の状態と生活リズムによって変わります。長野市のStudio NEXTEでは、整形外科専門医監修のもと、マシンピラティスの体験時にお一人おひとりに合った通い方をご提案しています。

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監修: Studio NEXTE 監修医/上野医院 院長(日本整形外科学会認定 整形外科専門医)

参考文献

  1. Sivrika AP, et al. Pilates Dosage in Rehabilitation of Patients With Musculoskeletal Conditions: A Scoping Review. Sports Health. 2024. https://doi.org/10.1177/19417381241278263
  2. Miyamoto GC, et al. Effectiveness and Cost-Effectiveness of Different Weekly Frequencies of Pilates for Chronic Low Back Pain: Randomized Controlled Trial. Physical Therapy. 2016. https://doi.org/10.2522/ptj.20150404
  3. Silva ML, et al. Different weekly frequencies of Pilates did not accelerate pain improvement in patients with chronic low back pain. Brazilian Journal of Physical Therapy. 2019. https://doi.org/10.1016/j.bjpt.2019.05.001
  4. Tolnai N, et al. Physical and psychological benefits of once-a-week Pilates exercises in young sedentary women: A 10-week longitudinal study. Physiology & Behavior. 2016. https://doi.org/10.1016/j.physbeh.2016.05.025
  5. Gökalp Ö, Kirmizigil B. Effects of reformer pilates on body composition, strength, and psychosomatic factors in overweight and obese women: A randomized controlled trial. Scientific Reports. 2025. https://doi.org/10.1038/s41598-025-09683-8
  6. Wang Y, et al. Pilates for Overweight or Obesity: A Meta-Analysis. Frontiers in Physiology. 2021. https://doi.org/10.3389/fphys.2021.643455
  7. Li F, et al. Effects of Pilates on Body Posture: A Systematic Review. Archives of Rehabilitation Research and Clinical Translation. 2024. https://doi.org/10.1016/j.arrct.2024.100345
  8. 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(筋力トレーニング情報シート). https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise/s-00-005.html
  9. World Health Organization. WHO guidelines on physical activity and sedentary behaviour. 2020. https://www.who.int/publications/i/item/9789240015128
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